ホーム > 学年便り  > 中1週報 第34号「中学1年・2年合同進路講和」

中1週報 第34号「中学1年・2年合同進路講和」2016年12月13日

 修学館では,保護者に対するきめ細かい情報発信の一つの手段として,中1~高3の全学年,学年便り(週報)を原則毎週末に発行しています。日常の学校生活の様子等の情報を積極的に発信し,保護者との情報の共有ができればと思います。修学館のホームページでは,「学年便り(週報)から」というコーナーを設け,学年便りにあった面白い記事,感動する記事などを皆さんに紹介します。更新を楽しみにお待ちください!

☆ 中学1年・2年合同進路講話 ☆

 木曜の7限に中学1年・2年合同進路講話が行われ,講師は本校卒業生の岡本尚也氏でした。自己紹介に続き,教育を取り巻く環境の変化と題して,現在の中学2年生から現在の大学入試センター試験から大学入学希望者学力評価テストに変わることを示し,その試験に対応していくためには知識を土台にして思考力,判断力,表現力がさらに必要になることと学校の授業内外で実際に課題を発見して,その課題解決を行った経験が重視されることを強調されました。また英語ができるということは大きな強みにはならないこと,専門性を持つことが大事であること,意見のない人は何も考えていないということ,身の回りで起こっていることは入試に直結していること,意見を述べるときに,空想ではなく知識に基づいた意見であるかが大切であること,与えられた情報に対してどれだけ疑問が持てるか,留学すると日本での常識が常識ではなくなること,論文を書く際は最初に構成を考えてから書くことが大切であること,鹿児島では女子の大学進学率が全国で一番低いこと等を話されました。下記は講話後の生徒たちの感想です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・今日の話を聞いて,勉強の大切さが改めて分かりました。最近大学入試に英検が使われたり,英語が重要視されて
 います。でも英語「だけ」できてもいけないんだなと思いました。外国に留学することで,新しく友達ができたり,
 英語に強くなったり…。私もいつか外国に留学できる機会があったら行ってみたいです。
・私は,岡本さんの話を聞いて,勉強は大事だなあと思った。私たちが受ける大学入試は今と違って,知能・技能プ
 ラスαを求められていると初めて知った。大学受験に勝つために,これからの5年間,勉強も大切だが社会のこと
 を詳しく知ることも大切だと思う。
・僕はこの話を聞いて思ったことは,今までいろんなことを知らなかったんだと思いました。例えば大学の入試が変
 わってきたりするなどたくさん面白いことを言っていた。今回は時間がなくて少ししか聞けなかったけどまた聞け
 たらいいと思います。
・これからの人生の生き方について詳しく教えてくださったのでとても良い機会だった。大学の問題を見てみたら,
 あまりに難しすぎて口をあんぐりと開けただけだった。まだ僕には「確かな学力「知識・技能」「思考力・判断力・
 表現力」がまだしっかり身についていないことに改めて気がついた。だから授業で積極的に手を上げて,聞き手に
 分かりやすく伝えられるように大きな声で発表したりと日々できることを積み重ねていきたい。
・今の中学2年生から大学入試の仕組みが変わります。そしてその時に必要となってくることが「知識」をもとにし
 て「考え」,そしてそれを「伝える」ことだということを今日知ることができました。だから,日頃から世の中や
 自分の身の回りの情報に対してアンテナを張っておき,そして自分が手にした情報を“なぜ”,“どうして?”などと
 考えながら,論理的な思考ができるようになり,世界で活躍できる人になろうと思いました。               
・今日,話を聞いて,私は勉強するだけではなく,様々なことに,探究心,好奇心をもつことが大切だということを 
 学びました。今までは,何となく勉強していたけど,しっかり目的をもって,知識を身に付け,自分の意見を言葉
 にして相手に伝えることが大切だ思いました。                    
・岡本さんは,イギリスの大学に入って,テレビにも出演して,論文も書いていて,とても頭の良い方なんだなと思
 った。しかし,そんな頭の良い岡本さんの言う事は,私の心に全く響かなかった。岡本さんは自分がいかに頭が良
 いか,すごいかをずっとアピールしていた。そんなことを聞かされても,こちらは気分を害するだけだ。そしてす
 ごく私たちを軽蔑しているように思えた。意見を言わないとダメ。いい大学に入ることは大切。正論だと思う。し
 かし,それはあくまで“世間的に”だ。私は別にいい大学に入ろうとも思わないし,それが本当に大切だとは思わ
 ない。今日の講演はすごく不愉快だった。私はそんな大人にはなりたくない。自分の意見を聞いてもらうには,内
 容だけではなく,本人の姿勢が一番大切だ。
・私達が受ける大学受験に何が求められるのかたくさん知ることができた。課題発見力が必要だっていうことは小学
 校の頃から言われていて改めて大切さが分かった。日頃から何事にも関心を持って生活していきたいと思った。岡  
 本さんから学んだことを大切にしていきたい。
・岡本さんの話の中で女性の大学進学率が低いという話があった。女性の大学進学率が低いということは女性の声を
 いろんなところに届けることが難しいということだ。「大学に行かなくたって正しい意見なら届く」と考えられるが
 多分今の社会だとそれでは通用しないだろう。やはり大学に行って自分の見聞を広めていった人の方が強いのだ。
 今回の話を聞いて私は自分の意見に自信を持ち,また考えを広くもてるように大学に進学したり,海外へ留学をし
 たい。
・今日のお話は私にとって,とても役にたつ,貴重な経験になりました。私「日本人なのになぜ英語を勉強するのか」
 ずっと疑問に思っていました。英語なんて必要ないと不満でした。しかし,岡本さんが「英語は大事。大きなチャ
 ンスをつかむきっかけになる」とおっしゃっていて,英語を勉強する理由がはっきりと分かり,不満がなくなりま
 した。また,「知識はあって当然で,それを表現する力が大事」だと聞き,衝撃を受けました。単語を“覚える”
 のではなく,意味を理解することが大切なのだと分かりました。私も表現力を磨くために本を読んだりできること
 からしていきたいです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆ 最近出会った文章です☆「当たり前のことをちょっと疑ってみる」みやざき中央新聞編集長 水谷もりひと
 山口県の僧侶,藤田和彦さんの話を聴く機会があった。藤田さんはある日,テレビで文部科学大臣が,とある小学校を視察しているニュースを見ていた。一人の児童がその大臣に「何のために勉強するんですか?」と質問していた。大臣は「う〜ん,難しい質問だなぁ。おじさんにも分からないよ」と答えた。確かに唐突にそう問われても,短い言葉で小学生に分かりやすく説明するのは容易ではないだろう。その数日後,藤田さんは小学2年生の娘さんの宿題に付き合うことになった。子供が道徳の教科書を声を上げて読む。それを横で聞いてあげるのだ。娘さんが読み始めたのは,詩人まど・みちおさんの『朝がくると』という詩だった。

 朝がくると とび起きて ぼくが作ったものでもない 水道で顔をあらうと ぼくが作ったものでもない ごはんをむしゃむしゃたべる それから ぼくが作ったものでもない 本やノートを ぼくが作ったものでもない ランドセルにつめて背中にしょって さて ぼくが作ったものでもない 靴をはくと たったか たったか でかけていく ぼくが作ったものでもない道路を ぼくが作ったものでもない学校へと ああ なんのために いまに おとなになったら ぼくだって ぼくだって なにかを 作ることが できるようになるために

 
 藤田さんは言う。「これを聞いたとき,目からウロコが落ちる音が聞こえた」と,なるほど何のために勉強するのかを考えたとき,この詩は大きな光を与えてくれる。そう,誰かの役にたつ人間になるために。ではなぜ学校に行かねばならないのだろう。勉強なら自分のやりたいことを好きなところでやればいいではないか。佐久間勝彦著「学び続ける教師に」の中に,ノーベル賞作家・大江健三郎さんの話が載っていた。大江さんの長男・光さんには知的な障がいがあった。光さんは音に非常に敏感な少年だった。7歳になって小学校の特殊学級に入学した。ある日,大江さんは息子の教室を覗いた。光さんは両手で耳をふさいで,体を固くして過ごしていた。大江さんは思った。「光はなぜ学校に行かねばならないのか。障がいは一生治らないのだ。野鳥の声を聞き分け,鳥の名前を親に教えるのが好きなのだから,自然の中で親子3人,暮らせばいいではないか」しばらくして光さんは,自分と同じように騒がしい音を嫌う生徒を,教室の中に見つけた。光さんはその子に寄り添うようになった。休み時間には一緒に耳をふさいだ。運動能力が自分より低いその子のために,トイレに付き添ってあげるようになった。「自分が友だちの役に立っている。それまで母に頼って過ごしてきた彼にとって『新鮮な喜び』として感じられたのだろう」と佐久間さんは綴っている。その
後,光さんは音楽と出会い,13歳のときから作曲をはじめ,作曲家になっていくのだが,その音楽のことを大江さんは《言葉》と表現している。勉強するのは当たり前,学校に行くのも当たり前,多くの人はそう思っているが,その当たり前のことをちょっと疑ってみると,実に奥深い言葉に出会える。

ページトップへ