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中2週報 第22号 「☾ 月見れば・・・・・・・☽」2014年10月14日

 修学館では,保護者に対するきめ細かい情報発信の一つの手段として,中1~高3の全学年,学年便り(週報)を原則毎週末に発行しています。日常の学校生活の様子等の情報を積極的に発信し,保護者との情報の共有ができればと思います。修学館のホームページでは,「学年便り(週報)から」というコーナーを設け,学年便りにあった面白い記事,感動する記事などを皆さんに紹介します。更新を楽しみにお待ちください!

 『 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ 』 

 百人一首のなかの左京大夫顕輔の歌である。

 

 先夜,皆既月食を自宅の庭で眺めた。鹿児島市内ではあるが,空気が澄み,久しぶりに天を仰いでいた。子どもの頃から星を観るのが好きで,近くの畑に行き満天の星を眺めていたのを懐かしく思い返していた。あの頃の月と同じ月のはずがなぜか心にかかる。世の中の何と早い変化であろうか。落ち着かないむなしさを感ぜずには居れない。地球の周りを古代より,同じ面しか見せずに天空に浮かんでいる月。決して自分の裏側(内面)は見せずに規則正しく地球を回っている。彼はこの地球の急激な変化をどうみているのであろうか。微笑んでいるのか,嘲り笑っているのか。一定の距離38万kmを保ちながら,決して近づこうとせず,はたまた,離れようともせず。常に,同じ面しか見せない君はいったい何者か。それを知りたくて知りたくて,アポロ11号が君に接触した。石(内面)を採取し,君の隠れた性格(裏側)を探る。目に見える君からは想像を覆す多くのことを君の石は教えてくれた。

 

 しかし,それは新たな謎となって僕らを悩ます。知れば知るほど,理解しようとすればするほど悩ますものは人もそうである。であれば,何もせぬほうが利口というものである。しかし,それでは教育は成り立たない。誰一人同じ人はいない。それぞれがそれなりに存在している。その存在を知り,認め,共に生き,話す。そして,お互いに成長していく。目の前に見える君だけでなく,その裏側や内面をさらけ出してくれるように君と接する。それにはよく見ることだ。数年前,1枚のアクリル画を描いた。ヴェネツィアでの朝の荷積みだ。運河・橋・船・広場・街灯・木々等々どうなっているのか注意深く観察し描いた。石段の描き方が難しい。学校にもどってからも階段を上るとき,ふと「どうなってる」と,足を止めて階段を見つめていた。毎年,年賀状は干支や風景を木版画で刷るようにしている。馬や犬,鳥のスケッチをしていると,物をよく見るようになる。人との接し方はそれぞれ違う。また,違わなければならない。だって,同じ人間なんていないから。そのためにはその人をよく見て理解することだ。私に見せている面だけでなく,内面や裏側まで見せてくれるように接することだ。私のこの気持ちを君が理解してくれるまで。

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