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中3週報 第1号「あなたのバイブルは?」 4月6日発行2018年04月14日

 修学館では,保護者に対するきめ細かい情報発信の一つの手段として,中1~高3の全学年,学年便り(週報)を原則毎週末に発行しています。日常の学校生活の様子等の情報を積極的に発信し,保護者との情報の共有ができればと思います。修学館のホームページでは,「学年便り(週報)から」というコーナーを設け,学年便りにあった面白い記事,感動する記事などを皆さんに紹介します。更新を楽しみにお待ちください!

☆ あなたのバイブルは? ☆
昨年度末に本校の図書室の特別貸出期間の案内がありました。みなさんも春休みを利用して,様々な本を読んだことと思います。私は毎週日曜日に放送される「情熱大陸」を観ることを楽しみにしています。4月1日の放送には女優の門脇麦さんが登場していました。彼女は朝ドラ『まれ』で主人公の親友役を演じました。番組の途中で彼女が「これもちょっとややこしい話になるかな」と前置きした後に「(私の)バイブル」と言って自宅の本棚から取り出した本が『夜と霧』でした。窪田等さんのナレーションが以下のように続きます。
「『夜と霧』はナチスの強制収容所を生き延びたユダヤ人精神科医が極限状況の人間を見つめた名著」
 門脇さんは「今現代の私が読むからこそ,今の時代に希望をもたないでどうするという気持ちになります。」と話していました。

 “バイブル”という言葉を新明解国語辞典で調べてみると,次のように書いてありました。
1 キリスト教の聖典。聖書。2 その分野で権威のある書物や,個人が常に指針を求めて読み返す一冊の本。
 齋藤孝さんの『まねる力』に『夜と霧』について次のように記されています。普通の人間では到底書くことが不可能な,特別な本です。著者のフランクルはアウシュビッツの強制収容所から奇跡的に生還した人ですから,その体験というのは大変な濃さがあるわけです。この本によると,収容所ではクリスマスと新年に大量の死亡者が出たそうです。それは「クリスマスには解放されるかもしれない」「新年には家に帰れるかもしれない」というかすかな希望が打ち砕かれることによって,多くの人が生きる力を失ったからでした。 フランクルは,収容所で離ればなれになってしまった妻に会えると信じて,生きる希望をつないでいたと
言います。(現実には,妻は別の収容所に移送されて,亡くなっていました。)未来を信じ,希望を持つことによってこそ,人はその日その日を生きられる。本書はこのことを教えてくれます。
 ボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリストで,先日プロボクシングWBAミドル級王座決定戦を戦った村田諒太選手も,世界戦前の段階でこの本を「いま読む3冊」のうちの1冊として挙げていました。(ちなみに残りの2冊は『失敗の本質』とマイク・タイソンの自伝の『真相』でした。)哲学書に親しんでいる父親の影響もあり,折に触れて手に取ってきたそうです。読書が村田選手のメンタルを支えているというのは,印象的でした。

 『夜と霧』は,読むことでたいていの人が影響を受ける,深い本です。みすず書房から新旧2種類の訳が発売されていますが,私は旧版を読んで,訳者である霜山徳爾先生のファンになりました。
齋藤孝(2017).『まねる力』pp.167-168 朝日新書

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