鹿児島修学館は、IB認定校として校内の理解浸透のため、毎週IB通信を発行しています。今回のものは中学1年生の探究学習の様子も伝わりそうですので、こちらにも掲載します。
https://drive.google.com/file/d/1wCvsgRdjL8Wj7Nk3IaqYuMldqvsFF9_y/view?usp=sharing
(抜粋)
冬休み前、中学1年生は「プチパーソナルプロジェクト(PPP)」と題し、自分が選んだテーマを探究し、発表していました。映画や絵本、パラパラ漫画の作成、魚の見分け方、日本の軍事力点検などなど、様々なものがありました。また、同じ日の理科では、その単元で学習した「力」・「光」・「音」などの知識を実生活に応用して全ての人がより住みやすくなるアイディアをプレゼンする課題の発表もありました。
【発表を見ていて特に感じたこと①】
それぞれが自分自身の興味・関心に基づいてテーマを設定したり、設定しようとしたりできていることが素晴らしいと感じました。
かつて見学に行ったIB先進校でも、パーソナルプロジェクトに向けて、中学1年生が夏休みに自分でテーマを決めて探究する活動を行っていました。その学校のコーディネーターによると、毎年、テーマを決めることが難しく、ひどい場合には夏休み明けにそのことが原因で学校に来られなくなる生徒も数名いるとのことでした。また、下の記事にあるように、大学生以降になっても自分自身の興味・関心に基づいてテーマを決めることができないというケースは多いものです。中高の段階から「自分で選ぶ・決める」練習・経験を積み重ねることの重要性を感じます。
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東京大学理学部のある教授は、「東大の学生は確かに優秀で、3割ほどの学生は優秀な研究者になれると思う。しかし4年になって『何を研究テーマにしたいか?』と聞いても『何を研究すればいいですか?』と尋ねてくる学生が7割ほどいるので困っている」と嘆く。
(2024/12/09 『PRESIDENT Online』https://president.jp/articles/-/88903?page=1)
【発表を見ていて特に感じたこと②】
やはり中学1年生、与えられた期間でやりきるには難しすぎるテーマやプロジェクトも多いという印象を受けました。この経験もとても大切だと思います。今後、逆に無難で「現実的すぎる」テーマを選んで「やりがい」や達成感に欠けるという経験をすることもあるかもしれません。
今回の1年生の発表を見ていて、「困難だがやりがいがあり、現実的な目標を設定する」ことは本当に難しく、それだけにとても大切なATLスキルだと改めて感じました。
大学での論文・研究や仕事選びなどで「困難だがやりがいがあり、現実的な目標を設定」し、学びを楽しみ、学び続けられるように、これからも成功体験、失敗体験両方を積み重ね、振り返ることで身につけていきましょう。
「困難だがやりがいがあり、現実的な目標を設定する」スキル、意識して磨いていますか?